相鎚あいづち)” の例文
「本当にさ。園遊会に燕尾服えんびふくを着てくるなんて——洋行しないだってそのくらいな事はわかりそうなものだ」と相鎚あいづちを打っている。向うを見るとなるほど燕尾服がいる。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
身に帯びているこの刀こそ、自分が十六、七歳の頃、赤岩明神に祈誓きせいをかけ、兄は本鎚の座にすわり、自分は相鎚あいづちむかって、夜となく昼となく、兄弟ふたりの魂を火として、打ち鍛えた刀なのだ。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
バウンがそう相鎚あいづちをうって、あとを自分で話しつづけました。
負けない少年 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
とお雪ちゃんも相鎚あいづちを打ちました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)