目証めあかし)” の例文
目証めあかしもとくに土地を去り、雲助もいつのまにか離散して見ると、中牛馬会社の輸送に従事する以外のものは開墾、殖林、耕作、養蚕、その他の道についた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
目明かしの名はその実「目証めあかし」で、犯人の顔を熟知している仲間の者として、犯人の首実検をなさしめ、目を以て証明あかしをなさしめる事から起った名かと思われる。
放免考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
この事が宿方へも注進のあった時は、二人ふたりの宿役人が目証めあかし弥平やへえを連れて見届けに出かけたが、不幸な利三郎はもはやてない人であろうという。一事が万事だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
目証めあかし弥平やへいはもう長いこと村に滞在して、幕府時代のひくい「おかっぴき」の役目をつとめていた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
村には目証めあかしも滞在している。狭い土地で人の口もうるさい。どうしたら半蔵はこの夜道に疲れて来た先輩を救って、同志も多く安全な伊那の谷の方へ落としてやることができようと考えた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)