目映まば)” の例文
かくて仲善き甲乙ふたり青年わかものは、名ばかり公園の丘を下りて温泉宿へ帰る。日は西に傾いてたにの東の山々は目映まばゆきばかり輝いている。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
一同の目映まばゆがるやうな目は、泣いた跡のやうに見えてゐる。腹の透いたのと退屈したのとで、あくびが出る。
祭日 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
摘み出してみると、黄金色目映まばゆき、サイダーの栓抜きほどの大きさの鍵!
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
源の富士の腰の火柱は、とても目映まばゆくて見詰められなかった。強いて見詰めたものは、目を損いながら、火の柱の中に鬼神が珠を掴み上げる腕の形を見たとか、竜が噛み合う姿を見たとか言った。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)