目交めくば)” の例文
すると、群衆の中に交じって、それとなく弥次っていた愚連隊の中から、神学生の今村がつかつかとそこへ出て来て、鹿爪しかつめらしく仲裁した。彼女は今村と何か目交めくばせをして
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
堀尾一等卒は狡猾こうかつそうに、将軍のあとを見送りながら、田口一等卒へ目交めくばせをした。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
先ほどから、ジュリアの身体より遠くの方に遠慮していた雁金検事と大江山捜査課長とは、このとき目交めくばせをすると、静かにジュリアの枕許まくらもとに歩をうつして、ジュリアの冥福を祈念きねんした。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)