白鼈甲しろべっこう)” の例文
妙子は、もう近頃は幸子の前でおおびらになっているので、帯の間から白鼈甲しろべっこうの煙草入を出して、昨今では貴重な舶来の金口きんぐちを一本取って、ライタアを点じた。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
支那しな金魚の感じがする円顔の出眼の婦人で、髪の毛を割らずに、額の生えぎわから頭の頂辺てっぺんへはりねずみの臀部でんぶごとく次第に高く膨らがして、たぼの所へ非常に大きな白鼈甲しろべっこうかんざしを挿して
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)