白澄しろず)” の例文
鼻筋鋭く、頬は白澄しろずむ、黒髪は兜巾ときんに乱れて、生競はえきそった茸の、のほのほと並んだのに、打振うちふるうその数珠は、空に赤棟蛇やまかがしの飛ぶがごとくひらめいた。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ついした様で、びんへ触った。一うち、という眉がりんとして、顔の色が一層白澄しろずんだ。が、怪しい黒髪に見くらべたらしい女房の素振を憎んだのでなく、妙な話が身にみたものらしい。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)