やまし)” の例文
裏にづること、おそるること、やましきことなどの常におさへたるが、たちま涌立わきたち、跳出をどりいでて、その身を責むる痛苦にへざるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
要するに内に省みてやましからざるにあり、そもそもまた人を知り機を見ることを尊ぶ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「獄卒を二匹退治たまでさ。何んのやましいこともねえ」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ゆるされし罪は消えぬべきも、歴々まざまざ挫傷すりきずのそのおもてに残れるを見れば、やましきに堪へぬ心は、なほすべき事あるををしみてわたくしせるにあらずやと省られて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)