異端いたん)” の例文
あるいは外国の書を飜訳ほんやくして大言を吐散はきちらし、あまつさえ儒流を軽蔑けいべつしてはばかる所を知らずとえば、れは所謂いわゆる異端いたん外道げどうちがいない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
冬亭の句境は冬木も異端いたんとするにはばからないが、弟弟子にたいする愛情は、もちろんべつなものである。
西林図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
少しく自分の説と異なればただちに曲学阿世きょくがくあせいだとか、俗論ぞくろんだとか売国的説だとか異端いたんだとか議論はそっちのけにして、論者の動機やら人格までをかれこれ言うようなことは
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
もし良人や、わが家の家中に、そのような異端いたんを味方のうちに招いたものがあるなれば、あなた方のお手はかりませぬ。……今も今とて、そのことを、取りただしているところでした。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
異端いたん邪教じゃきょうの徒というならば、正にそうさ。
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)