画嚢がのう)” の例文
奥羽第一の大河としての北上川の沿岸をぶらついているうちに、その風光を画嚢がのうに納めなければならない。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おかげで画嚢がのうはこのとおり。——
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
わが画嚢がのうに従来なかった土産物みやげものを以て充たしめざるはないに相違ない——が、前途、路は遥かだ。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
田山白雲は、興に乗じて画嚢がのうをさぐり、矢立を取り出して写生図を作りはじめました。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それから、もう一つは、本業たる画師としての画嚢がのうを満たさんがために、いまだ見ざる名山大川に触れてみようというのと、持って生れた漂泊性を飽満せしめようとの本能もありました。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
田山白雲は保田を立つ時、予期しなかった二つの獲物えもの画嚢がのうに入れて立ちました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
田山白雲は、一肩いっけん画嚢がのうをひっさげて、ゆらりと船から桟橋へ飛び移りました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)