町外まちはず)” の例文
すなわちこのような町外まちはずれの光景は何となく人をして社会というものの縮図でも見るような思いをなさしむるからであろう。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
馬場から町外まちはずれ、益田街道を南に、まっしぐらにせ行くことをとむることができません。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それに、素面しらふで会うのも、何となくいやな気がした。嘉三郎は町外まちはずれの居酒屋に這入はいった。
栗の花の咲くころ (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
ことに東京市の町外まちはずれを題目とせよとの注意はすこぶる同意であって、自分もかねて思いついていたことである。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
見たまえ、そこに片眼の犬がうずくまっている。この犬の名の通っているかぎりがすなわちこの町外まちはずれの領分である。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)