“生村”の読み方と例文
読み方割合
うまれむら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もと他村よそむらの者であるが、この村に医者が一人も無いのを見込んで一昨年をととしの秋、この古家を買つて移つて来た、生村うまれむらでは左程の信用もないさうだが、根が人好のする男で
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
気病きやみの後の様なたるんだ顔にまぶしい午後の日を受けて、物珍らし相にこの村を瞰下みおろしてゐると、不図、生村うまれむら父親おやぢの建てた会堂の丘から、その村を見渡した時の心地が胸に浮んだ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其時思出したのは、五六年前——或は渠が生村うまれむらの役場に出てゐた頃かも知れぬ——或新聞で香竄葡萄酒かうざんぶどうしゆの広告の中に、伝染病予防の効能があると書いてあつたのを読んだ事だ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)