)” の例文
二三年前、O市に水産共進会があって、その際、金牌きんぱいち得たこの金魚の名品が試験所に寄附きふされて、大事に育てられているのだ。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
かなり遠方からやつて来たといふ栗毛の馬とり合つたあげく、相沢の馬は優勝をち得て、賞品ののぼりと米俵とを悠々と持つて行つた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
四万の軍勢を擁する今川義元を、わずか三百の手兵で一夜のうちに討ち滅したのも博奕ばくちなら、滝川一益が骰子一つで長島の城をちとったのも博奕。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
何となく小莫迦にされながらも、今日ではどこの家へも自由に出入りできる特権のやうなものを自然とち得てゐた。同時にそれは一種鹿爪らしい表情となつて現れてゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)