狩野山楽かのうさんらく)” の例文
「ははは。これはおさまたげになりましたか。手本にお用いの画巻は、誰の筆ですな。狩野山楽かのうさんらくにでもお命じになったもので?」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秋安と美しい廻国風の娘と、語り合っているその部屋には、狩野山楽かのうさんらくの描いたところの、雌雄孔雀の金屏風が、紙燭の燈火ひかりを明るく受けて、さも華やかに輝いている。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これなるは有名なる醍醐の枝垂桜しだれざくら、こちらは表寝殿、あおい、襖の絵は石田幽汀いしだゆうていの筆、次は秋草の間、狩野山楽かのうさんらくの筆、あれなる唐門からもんは勅使門でございます、扉についた菊桐の御紋章、桃山時代の建物
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
狩野山楽かのうさんらくの絵、またなにがしの彫刻など、ここは当代の巨匠の精華せいかをあつめた芸術の殿堂でもある。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)