狂妄きょうもう)” の例文
未来の全生涯はすでにそこにめぐんでいた——しかしその内心の豊富さは、当座の間、狂妄きょうもうな行いとなってしか現われなかった。
しかれどもその主動力たるものは、一種宗教的殉道者じゅんどうしゃの大精神あるを要す。しかり、薄胆はくたん狂妄きょうもうなるロベスピールすらなお一片の殉道心じゅんどうしんを有したりしなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
露西亜ロシアの如き国状を醸し出すところの狂妄きょうもう陋悪ろうおの思想や感情が行われたら飢餓で死ぬ人も沢山出来るであろうが、もない限りは貧乏は生命に別状は無いものだ。
貧富幸不幸 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
死に満ちた魂と生命に満ちた身体とを持って、彼は悲しみながら、復活の力に身を任せ、狂妄きょうもうな生の喜びに身を任した。