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物哀
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ものあわれ
ふりがな文庫
“
物哀
(
ものあわれ
)” の例文
振乱す幽霊の毛のように打なびく柳の
蔭
(
かげ
)
からまたしても怪し気なる女の姿が
幾人
(
いくたり
)
と知れず
彷徨
(
さまよ
)
い
出
(
い
)
で、何ともいえぬ
物哀
(
ものあわれ
)
な泣声を立て
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
間の延びた
物哀
(
ものあわれ
)
な角笛の音律を聞くともなく聞いていたのであったが、意識がようやく醒めて来るに従って、節まわしが少し巧者過ぎるから
喇叭
(
ラッパ
)
ではないか知らんなどとも疑ったりした。
リギ山上の一夜
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それに反して日陰の薄暗い路地はあたかも渡船の
物哀
(
ものあわれ
)
にして情味の深きに似ている。
式亭三馬
(
しきていさんば
)
が
戯作
(
げさく
)
『
浮世床
(
うきよどこ
)
』の挿絵に
歌川国直
(
うたがわくになお
)
が
路地口
(
ろじぐち
)
のさまを描いた図がある。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お千代は
打
(
ぶ
)
たれようが殺されようが皆な自分が悪いんだから、どうなりと気の済むようにと云わぬばかりの態度で、いかにも
物哀
(
ものあわれ
)
にしくしく泣きながら事情を訴えて
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
哀
常用漢字
中学
部首:⼝
9画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思