牛裂うしざき)” の例文
嘸まア腹が立つともにくい野郎とも、実にね悪党野郎でごぜえまして、牛裂うしざきにしても飽足らねえ奴の親だから、坊主が悪けりゃ袈裟まで悪いというたとえの通りで
各位が、わがために刑を撰んで、その最も酷なのは、はりつけでない、獄門でない、牛裂うしざきの極刑でもない。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、『八犬伝』の興趣は穂北ほきたの四犬士の邂逅かいこう船虫ふなむし牛裂うしざき五十子いさらこの焼打で最頂に達しているので、八犬具足で終わってるのは馬琴といえどもこれを知らざるはずはない。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
牛裂うしざきの私刑に波瀾の多い一生の幕を閉ずる一種の変態性格である。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)