牛太郎ぎゅうたろう)” の例文
夜っぴてよ、蝋燭ろうそくでよ、銭勘定したり、横浜までゆくのに、旅費がなくって、宿場しゅくば牛太郎ぎゅうたろうまでしやがったことわすれてやがる。
なんしろ、弁公の奴が、ちっとも顔負けのしねえ男なので、とうとう二人で、吉原のチョンチョン格子の牛太郎ぎゅうたろうにまでなったこともあるんだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
感化院を出がけに兄貴分から注意されて来た牛太郎ぎゅうたろうという女郎屋の改札がかりはコイツらしい。聞いた通りに派手なダンダラの角帯かくおびを締めていやがる。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
牛太郎ぎゅうたろうのような番頭にきかれて、まず私はかたずを呑んで、商品のような求人広告のビラを見上げた。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
牛太郎ぎゅうたろうが呼びこみをやっている。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)