)” の例文
予の幼時和歌山で兎の足を貯え置き痘瘡をくに用いた。これその底に毛布を着たように密毛叢生そうせいせる故で予の姉などは白粉おしろいを塗るに用いた。
例の勢のある馬は、断乎としていうことをきかないでいたところへ鞭でぴしりとやられたので、今度は断然とき登り出した。すると他の三頭の馬もそれに倣った。
ちびたたてがみは丁寧に梳かれ、身体はさっぱりとかれて、あかひとつついていなかった。
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
瑣細ささいな凶事がおこる時などは、まるで何か爪の先でく様な微かな音がする、他人がもしはたればその人にも聞えるそうだ、私はこういう仕事をしているから、もしそういうひびきを聞けば
頭上の響 (新字新仮名) / 北村四海(著)