爛壊らんえ)” の例文
旧字:爛壞
してその時私は考へた、都会は美くしいが実に怖ろしい処だ、彼処あすこには黄金、酒、毒薬、芸術、女、すべてが爛壊らんえに瀕してゐる。
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そうして十九歳より六十五年の間、時に臀肉でんにく爛壊らんえすることがあっても、緊張した坐禅の生活は絶やさなかった。道元はいう、「まのあたり先師せんじを見る、これ人に逢ふなり」(正法眼蔵行持)。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
嗚呼ああ爛壊らんえせる黄金おうごんの毒にあたりし大都会
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)