いぶし)” の例文
昨日は曇天がいぶし銀の色調であつた。神戸から大阪までの平原の間に、枯草と青草との心臟を冷すやうに氣持のいい色の調和を見た。(四月二日、大阪圖書館にて。)
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
その一つ此窓の大岩柱は直ぐ目の前にがっしりと根を張って、曇りを帯びた朧の雪がいぶしし銀の金具の様に根元を飾っている。最高点は其北に在って赤錆びた圭角けいかくのみのように鋭い。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
しろがねのいぶしして。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)