熱鬧ねつたう)” の例文
羅馬は拿破里の熱鬧ねつたうに似ず。コルソオの大路は長しと雖、繁華なるトレドの街と異なり。車の窓より道行く人を覗ふに、むかし見し人も少からず。
風琴、「オルガノ」の響喧しく、女子のこれに和して歌ふあり。兵士、希臘ギリシア人、土耳格トルコ人、あらゆる外國人とつくにびとの打ちまじりて、且叫び且走る、その熱鬧ねつたう雜沓ざつたふさま、げに南國中の南國は是なるべし。
燭光の照すところは數歩の外に出でざれども、われはその大さ「サン、カルロ」座にゆべしと想ひぬ。われ等の四邊あたりは空虚幽暗寂寥にして、われ等の頭上には別に一箇の熱鬧ねつたう世界あるなり。