熱沙ねっさ)” の例文
その、烈火の影、黄色く躍る熱沙ねっさの土をふんで、一団の人かげが刀を杖つき、負傷者ておいをかばって遠く宿を離れ、常州じょうしゅうをさしてひた走りに落ちのびていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ああ、どうしてのこと、熱沙ねっさの中から、所在を氷海の一孤島に移しているのであろうか。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
あまつさえかのクルペー提督をして東京トンキン瘴烟毒霧しょうえんどくむに暴露せしめ、空しくインド洋の藻屑とならしめたるも、また英国内閣がかのゴードン将軍をして刀折れ矢尽き茫々ぼうぼうたるスーダン熱沙ねっさ大漠たいばく
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)