熟慮じゅくりょ)” の例文
吾等は信ずる、沈思ちんし熟慮じゅくりょの結果は、必ず汝をして、われ等の主張の合理性を承認せしむるに相違ないと。
気負う鋭気を危ぶむかのように熟慮じゅくりょの眼をふさいだ。玄蕃允の自負と熱血はすぐそれを反撥した。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は長い間、小説の筋を組み立てる時と同じ喜びをもって、君への復讐手段を組立てて来た。最も君を苦しめ、君を怖わがらす方法を熟慮じゅくりょして来た。愈々いよいよそれを実行する時が来たのだ。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これだけのくりかえしですが、小松の頭脳機質は雨にはもっとも清明し、曇天の日はこれにつぎ、快晴の日はいちじるしく快戯かいぎ性を帯びてきて終日落着かず熟慮じゅくりょ困難の症状をあらわすようでした。
ハムレット (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
数年来胸中にしらずに蘊蓄うんちくされた熟慮じゅくりょを引き出させたのである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
熟慮じゅくりょのうえでござります。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)