無駄口むだぐち)” の例文
彼らは楽屋口に近い、畳敷きの部屋に一とかたまりになって、徳利とっくりからじかの冷酒をあおりながら、無駄口むだぐちたたいていた。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
平生いつもであったらその老人の冗談を無駄口むだぐち端緒いとぐちにしてしゃべりだすところであった。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
きりきりしゃんと素早く仕事を片づける手際てぎわは、かっぽれの言い草じゃないけれど、「まったく、日本一のおかみさんだよ。」摩擦の時など、他の助手さんたちは、塾生と、無駄口むだぐちをきいたり
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
あたかも葡萄酒ぶどうしゅにアルコールを加えるがごときものである。また時とすると欠点ともなる。ホメロスは無駄口むだぐちをたたくと言えるならば、ヴォルテールは浮浪少年気質を発揮すると言うべきであろう。
君は僕がなぜいつまでも、こんな無駄口むだぐちをたたいているかわかるかね……ばかに落ちついているじゃないか。いま女房を盗まれようとしている男とは見えんじゃないか……君、こわくはないのかい。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)