無韻むいん)” の例文
数株の蒼松そうしょうは、桜樹に接して、その墓門を護し、一個の花崗石かこうせきの鳥居は、「王政一新之歳、大江孝允おおえたかよし」の字を刻して、とこしえに無韻むいん悼歌とうかを伝う。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
事実私は、このときサイマ湖上の無韻むいんの音をその生長の行進曲と聞いたのだった。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
無韻むいんの風を起こして撃発した栄三郎の利剣が無残! ザクッと胴を割ったかと見るや、左足を踏み出して瞬間刀を預けていた栄三郎、スウッ! とねばりつつ引き離すが早いか、とっさに右転して
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
無韻むいんの沈黙
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)
八百八町の無韻むいんいびきが、耳に痛いほどの静寂しずけさであった。