無雑作むざうさ)” の例文
旧字:無雜作
くだん麻袋あさぶくろくちけて、握飯にぎりめしでもしさうなのが、一挺いつちやう小刀こがたな抽取ぬきとつて、無雑作むざうさに、さくりとてる、ヤまたれる、えだはすかりとふたツにつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
このどさくさに、何とか力頼みなものが自分の周囲にだけ転がつてゐるやうに、無雑作むざうさに考へたがる……。戦争をしてゐる時よりは、この革命的な、スリルのある時代の方が誰にも好ましかつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)