無名指むめいし)” の例文
貴婦人はその無名指むめいしより繍眼児めじろ押競おしくら片截かたきりにせる黄金きんの指環を抜取りて、懐紙ふところかみに包みたるを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その行く時彼の姿はあたかも左の半面を見せて、団欒まどゐの間を過ぎたりしが、無名指むめいしに輝ける物のただならず強き光は燈火ともしび照添てりそひて、ほとんただしく見るあたはざるまでにまなこを射られたるにあきれ惑へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)