無人島むにんとう)” の例文
文「どうせ魚の餌食えじきと覚悟して船の漂うまゝに任したのが、かえって幸いとなって無人島むにんとうへ着きましてな」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もう無人島むにんとうから帰って来たのでございますもの。帰って来て見れば、ただの世界で、物が重りを持っていたり、日がさせば影を落したり致しますのでございますからね。
無人島むにんとうでない事はその山よりも高い空で雲雀ひばりいているのがかすかに聞こえるのでわかる。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
文「はてな、無人島むにんとうから来る訳はないから定めし三宅島でありましょう、何方どなたか知らんがお通し下さい」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくし共二人は、遠い遠い無人島むにんとうで、何年も何年も暮しましたのでございますわ。
これから災難で此の罪が友之助に係りまして、たちまちにお役所へ引かれますのを見て、文治郎みずから名告なのって出て、徒罪とざい仰付おおせつけられ、遂に小笠原島へ漂着致し、七ヶ年の間、無人島むにんとうに居りまして
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)