烏蛇からすへび)” の例文
いやこの俺が目付けてみせる。……それから金銀円方として、金粉、銀粉、鹿頭、白花蛇、烏蛇からすへび樟脳しょうのう、虎胆の七種を、丸薬としてませもするが、これとて対症的療法に過ぎない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と思うと——材木場の薄暗い迷路の一方から、ひゅッと、烏蛇からすへびの弾力に似た一すじの飛繩が、かれの足を巻いて、らい了戒りょうかい空光からびかりと共に、おが屑の道に五体をもンどり打たせました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その上から、びゅッと、烏蛇からすへびのような、黒い捕縄ほじょうが躍ッて行った。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)