点景てんけい)” の例文
名所旧蹟地には茶店や料亭は付きもので、またそれが点景てんけい風物ふうぶつにもなっている。琵琶亭びわていなどもまさにそんな画中の水亭すいていだった。画中の客となった心地である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は花びらを一つずつ用い草の葉や、草の実をたくみに点景てんけいした。ときにはおびのあいだにはさんでいる小さい巾着きんちゃくから、砂粒すなつぶほどの南京玉なんきんだまを出しそれを花びらのあいだにはいした。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)