)” の例文
藁一本をべた煙りもこの町内の人々の眼に鋭く沁みて、かれらの尖った神経は若い蘆の葉のようにふるえ勝ちであった。
半七捕物帳:06 半鐘の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夜がふけて雨戸をしめたのは知っているが、炉のなかに木の葉などべたことはない、第一この小屋のなかには青い松葉などを積み込んであるのを見たことがないと云った。
半七捕物帳:24 小女郎狐 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お葉の火の手が折角しずまりかかった処へ、又もやんな狂気婆きちがいばばあ飛込とびこんで来て、横合よこあいから余計なわらべる。重ね重ねの面倒に小悶こじれの来た市郎は、再び大きい声で呶鳴どなり付けた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
姉も黙って炉の粗朶をべ足した。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)