もや)” の例文
庭師が溜息をくと、カシモードは何やら彼の耳に殊更に低声こごゑで囁き、互ひの背中を叩き合つてゐた。私はその囁きに、余程深刻な好奇心をもやしたに相違なかつた。
タンタレスの春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)