火避地ひよけち)” の例文
安藤坂あんどうざかは平かに地ならしされた。富坂とみざか火避地ひよけちには借家しゃくやが建てられて当時の名残なごりの樹木二、三本を残すに過ぎない。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あの象は十四日の夕方まで伝馬町の火避地ひよけちに飾ってあったんだが、渡初わたりぞめがはじまって、四人でそれを永田馬場まで担いで行った、……その時には、象の中に死体なぞは入っていなかった。
小石川富坂こいしかわとみざかの片側は砲兵工廠ほうへいこうしょう火避地ひよけちで、樹木の茂った間の凹地くぼちにはみぞが小川のように美しく流れていた。
秋葉あきわの原の火避地ひよけち
四谷よつやさめはし赤坂離宮あかさかりきゅうとの間に甲武鉄道こうぶてつどうの線路をさかいにして荒草こうそう萋々せいせいたる火避地ひよけちがある。