“火渡(ひわた)” の例文
お鉄の亭主の火渡(ひわた)り甚右衛門(じんえもん)というのが、お上から朱房の十手に捕縄を預った御用聞きで、是れが二足の草鞋(わらじ)を穿いていた。飯岡(いいおか)の助五郎(すけごろう)とは兄弟分で有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
社会主義は、理非曲直(りひきよくちよく)の問題ではない。単に一つの必然である。僕はこの必然を必然と感じないものは、恰(あたか)も火渡(ひわた)りの行者(ぎやうじや)を見るが如き、驚嘆の情を禁じ得ない。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)