濃州のうしゅう)” の例文
濃州のうしゅうでは四月から七月までで、別して五六月が多いという。七月になりかかると、秋風が立ち初める、とギバの難は影を
怪異考 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
このごろ未刊随筆百種のうちの「享和きょうわ雑記」を読むと、濃州のうしゅう徳山くろん坊の事という一項がある。
くろん坊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
家康が濃州のうしゅう金山かなやまの城主森忠政もりただまさを信州川中島に転封てんぽうしたおり、その天守閣と楼櫓やぐらとを時の犬山城主石川光吉に与えた、それをあくる年の五月に木曾川をくだしてこの犬山に運び
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「今はあらそふ者もなければ、義竜自ら濃州のうしゅうの守護となつて、悪人ながら威勢ありしに、ためしすくなき大罪人だいざいにんのむくいにや、幾程なく永禄四年に義竜たちまち悪病をわずらひ、死去しけり」
赤い土の壺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
東の方は上州太田の金山かなやまが名所でその近傍きんぼう野州やしゅう唐沢山からさわやま辺まで松茸が出るそうですが西は濃州のうしゅう三州江州辺から沢山参ります。それがんな売物屋の手へ入ると西京の松茸と名をつけてしまいます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
信孝卿のぶたかきょう 濃州のうしゅう
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)