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漣
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いざちや
呼出さる吉田三五郎は伊勢に
向ひ西家村の神職伊勢同人
妻菊と申すは
其方なるかと云に
漣で御座ると答へける又取返して伊勢の妻菊と申すは
其方なるかと尋るに只々漣で御座ると
答へ一向に分り兼れば平石次右衞門心付き伊勢には
舞太夫を
一
向存申さずと云に
押返して將監方に
奉公致たるに相違有まいなと尋るに
更に
存申さずと答へければ否々廿二三年
跡其方奉公中傍輩に澤の井と申す
女中有しと存じ居べしと尋ねけれ共一
向存申さずと云に次右衞門は
是は伊勢より女房に
口留したるに相違なしと心付たれば
懷中より小判十枚取出し紙に
包みて差出し
漣どの此金子は