漆間うるま)” の例文
翁も勝四郎と見るより、一三九吾主わぬし何とて遅く帰り給ふといふを見れば、此の里に久しき漆間うるまの翁といふ人なり。
(蛙は池にとび込みて、蓮の葉のかげにかくれる。漆間うるまの翁の娘、きぬを洗わんとていず。)
蟹満寺縁起 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして、勝四郎の姿を見るやいなや、「おまえさんはどうしてこんな遅く帰ったのだ」と声をかけるので、見ると、この里にふるくからいる漆間うるまおきなとよばれる人であった。
おなじ里、漆間うるまの翁の宿。舞台にあらわれたる家の中はすべて土間にて、奥の間には古きすだれを垂れたり。上のかたに大いなる土竈どべっついありて、消えかかりたるわらの火とろとろと燃ゆ。
蟹満寺縁起 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
漆間うるまおきな
蟹満寺縁起 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)