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滌
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すす
ふりがな文庫
“
滌
(
すす
)” の例文
杯を流れに
滌
(
すす
)
いでおる様が、透屋か明石縮みなどの縞物を着ているらしく、襦袢はこれもうすもので、二の腕には匂い袋を忍ばせておる。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
明日
(
あす
)
は朝早く、小僧を注文取りに出して、自分は
店頭
(
みせさき
)
でせっせと
樽
(
たる
)
を
滌
(
すす
)
いでいると、まだ日影の薄ら寒い街を、せかせかとこっちへやって来る男がある。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ただし日本では今一つ、同じ変化を助け促した
瀬戸物
(
せともの
)
というものの力があった。
白木
(
しらき
)
の
椀
(
わん
)
はひずみゆがみ、使い初めた日からもう汚れていて、水で
滌
(
すす
)
ぐのも気休めにすぎなかった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
頭から爪先まで少しも厭味のないその女は、痩せた淋しい顔をして、なにかとこまこました話をしながら、鍋に
脂肪
(
あぶら
)
を
布
(
し
)
いたり、
杯洗
(
はいせん
)
でコップを手際よく
滌
(
すす
)
いだりした。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
吾れ人の家の夏は、青簾かけそめて初めて趣致を添え、涼意自ら襟懐を
滌
(
すす
)
ぐばかり。然れば五月の夜々の縁日には、早くも青簾売る店の一つならず、二つ三つと一晩の中に見かくること稀らしからず。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
▼ もっと見る
「何だか知らねえが、私は家のような気がしましねえ。」母親は
滌
(
すす
)
いでいた
徳利
(
とくり
)
をそこに置いたまま、何もかも都合のよく出来ている、田舎のがっしりした古家をなつかしく思った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
翌日お庄は、涼しい朝のうちに、水口の外へ
盥
(
たらい
)
を持ち出して、外の浴衣と一緒に
昨夜
(
ゆうべ
)
の汚れものの洗濯をしていた。手拭を姉さん
冠
(
かぶ
)
りにして着物を膝までまくって、水を取り替え取り替え
滌
(
すす
)
いでいた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
滌
漢検1級
部首:⽔
14画
“滌”を含む語句
洗滌
洗滌器
一洗滌
塩化洗滌薬
御滌
洗滌液
浣滌
滌々
生理的洗滌
胃洗滌
膿滌