滅法めつぽふ)” の例文
荒物屋のお今——今年十七になる滅法めつぽふ可愛らしいのが、祭り衣裳の晴れやかな姿で、湯島一丁目の路地の奧に殺されて居りました。
眼が大きくて滅法めつぽふあだつぽい。ほかにお舟とお小夜と言つて、十九と十七の茶汲み娘。文使ひをしたのはお玉さんと言つて十三、ちよいと可愛らしい
「その上、滅法めつぽふカンのよい盲目めくらで、までやるといふ位だから、目が見えなくたつて、戸閉とじまりのない朋輩のうちへ、泥棒位には入りかねませんよ」
齒ぎれの良い調子、莞爾につこりすると、漆黒しつこくの齒がチラリと覗いて、啖呵たんかのきれさうな唇が、滅法めつぽふ阿娜あだめいて見えます。
親孝行で氣性者で、その癖滅法めつぽふ愛くるしいお秀が、何彼なにかにつけて近所の獨り者の噂に上らない筈もありません。
「さう言はずに聽いて下さいよ。お禮は兎も角、こいつは滅法めつぽふ面白い仕事で、引受け甲斐がありますぜ」
「なるとも、大なりだよ、字が滅法めつぽふうまいから、掛り合ひの人間の書いたのを一々突き合せりや、半日經たないうちに犯人ほしが擧がるよ。番頭さん、ちよいと見せてやらうか」
「十八や十九の滅法めつぽふ可愛らしいのが、寢卷で井戸へ飛び込むのも色氣がなさ過ぎるし、あやまちにしても、水垢離みづごりを取りやしめえし、若い娘が、夜中に井戸端へ行くのも變ぢやありませんか」
「作人は本所緑町の佛師又六、大した腕のある男ぢやねえが、あの普賢菩薩だけは、後光が射すやうな出來だ。その上木戸番のお倉てえのが滅法めつぽふいゝ女で、小屋は割れつ返るやうないりですぜ」
何の獲物もなく八丁堀まで引揚げた平次は(目黒川に若い女の死骸が浮いた、——若くて滅法めつぽふ綺麗な女だが、首を半分斬られて、茣蓙ござで包まれてゐる——)と聽くと、もう一度八五郎をうながして
「親分にお目にかゝつて申上げますつて、——滅法めつぽふ美い女だぜ、親分」
その美しさも滅法めつぽふですが、言ふ事を聞くと大の男を顫へ上がらせます。
お化け若衆の滅法めつぽふ美しかつたこと、嫁仕度の大層だつたこと、それから、さう/\いざお暇をして歸らうといふ時、下女のお信を蔭へ呼んで、そつとその話をすると、何も彼も呑込んでゐる樣子で
「綺麗なことは滅法めつぽふだが、利口過ぎて氣の知れない娘だといふ話で」
「止さないか、馬鹿々々しい。俺は今朝滅法めつぽふ寢起きが惡いんだ」