温籠ぬくもり)” の例文
頭の中に籠ツてゐた夜の温籠ぬくもりを、すツかり清水せいすいまして了ツた、さて長火鉢ながひばちの前にすはると、恰で生まれ變ツたやうな心地だ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
次に手ばしこく蒲團をたたんで押入へ押籠む……夜の温籠ぬくもりは、二十日鼠はつかねづみのやうに動くお房のまほりと、中窓から入ツて來る大氣とにさまされて、其處らが廓然からりとなる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)