渡職人わたりじょくにん)” の例文
はばかんながら大橋からこっちの床屋はな、山の手の新店だっても田舎の渡職人わたりじょくにん附合つきええはしねえんだ、おともだち、お気の毒だが附合はこっちでおことわりだ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「どうでしょう。職人はちいさい時分から手なずけなくちゃ駄目だね。順吉だけは、どうか渡職人わたりじょくにんふうましたくないもんだ。それだけでも私たちは茫然ぼんやりしちゃいられない」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)