渓壑けいがく)” の例文
この鉄道は六十三の隧道をアンデスの山中に穿うがち、数多の橋梁を渓壑けいがくの間に架け、その高道にしてかつ峻嶮なる多く世界に見ざるところなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
はじめの程は小さき平流なりしが、間もなく渓壑けいがく迫りて、薬研やげんを立てたるようになり、瀑布連続す。
層雲峡より大雪山へ (新字新仮名) / 大町桂月(著)
然れば則ち二人の者の罪、上は天子の明勅に違い、下は幕府の大義をそこない、内は列侯士民の望にそむき、外は虎狼ころう渓壑けいがくの欲をかしむ。極天窮地、俯仰ふぎょう容るるなし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)