添合つれあ)” の例文
古いころの早稲田を出たというその良人の浅山は、ある会社の外国支店長をしている自分の姉の添合つれあいの家宅やしきの門内にある小さい家に住まっていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あのお祖母ばあさんも、若い時分にどこのものか知れない庭男と私通くっついて院長のお父さん……つまりお祖母さんの添合つれあいに髪を切られた騒ぎもあったでね。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お庄には深い事情の解りようもなかったが、牛込の自分の弟のところに母子厄介おやこやっかいになっている親爺おやじ添合つれあいや子供のことから、時々起る紛紜ごたくさが、その折も二人の間に起っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
はげしいヒステレーで気が変になって東京在の田舎の実家さとへ引っ込んでいる隠居の添合つれあいが、家政うちを切り廻している時分には、まだ相模さがみの南の方から来て間もないほどの召使いであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)