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浪人者
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ろうにんもの
「エエ、口がしこいことを申すな。われわれをただの
浪人者と思いおるか。おそれ多くも、
羽柴どのよりお声がかりで、
天ヶ
丘一
帯の取りしまりをなす、
南蛮寺の
番士だぞ」
だが、
慾のふかい呂宋兵衛は、もう南蛮寺を
拝領したようなつもりで、すっかりここに根を
生やし、またボツボツと
浪人者を
山内へあつめて、あわよくば、一
国一
城の
主をゆめみている。
豹のごとく
飛びついてきた
酒乱の
浪人者に、血まつりの
贄とされた。