浦幌うらほろ)” の例文
浦幌うらほろ川に流れ込むその清水の谷川のほとりには、半分腐れかけた幾本もの大木が倒れていた。雄吾はそれらの大木をまたぐのが面倒なので、猟銃を杖にして木から木へと伝い歩いた。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
時間がおくれて、浦幌うらほろで太平洋の波の音を聞いた時は、最早車室の電燈がついた。此處から線路は直角をなして北上し、一路斷續海の音を聞きつゝ、九時近くくたびれ切つて釧路に着いた。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
時間がおくれて、浦幌うらほろで太平洋の波の音を聞いた時は、最早車室しゃしつの電燈がついた。此処から線路は直角をなして北上し、一路断続だんぞく海の音を聞きつゝ、九時近くくたびれ切って釧路に着いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其日上徳うえとく氏に泊し、夫れより釧路に出でたるも、支庁長不在なるを以て書状を置き、帰路白糠しらぬか軍馬補充部を一見して菅谷すげや氏に一泊し、温別にて海水に浴す。此際は汽車は浦幌うらほろ迄通ずるのみ。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)