浜荻はまおぎ)” の例文
つまりは難波なにわあしは伊勢の浜荻はまおぎといったごとく、中部のタヌキは関東のムジナなので、タヌキ又の名がムジナだったのではない。
狸とムジナ (新字新仮名) / 柳田国男(著)
『——咲くや木の花、なにわ津の、入江のあしは、伊勢の浜荻はまおぎ、伊勢の瓶子へいしは、素甕すがめにてこそ。——伊勢の平氏はスガ目にてこそあるなれ』
宝永六年(1709)発行の貝原益軒かいばらえきけんの『大和本草やまとほんぞう』付録巻之一に「伊勢ノ浜荻はまおぎハ三津村ノ南ノ後ロニアリ片葉ノアシニシテ常ノ芦ニカハレリ」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
そうさ、いかに伊勢の浜荻はまおぎだって、按摩の箱屋というのはなかろう。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
岩崎覚左衛門はいずれの国の生まれか知らぬが、かの難波なにわあしも伊勢の浜荻はまおぎの歌をもどいて「ヘヲとは謂はで」と詠んだのを見れば、この語は相応人に知られた普通名詞であった。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
浜荻はまおぎ(三津村の南の江にあり) 片葉のあしの常の芦にはかはりたる芦なり是を
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)