浜方はまかた)” の例文
浜方はまかた魚場いさば気分と、新設された外人居留地という、特種の部落を控えて、築地橋橋畔きょうはんの両岸は、三味線の響き、いきうちが並んでいた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
こやつも、閑人ひまじんとみえ、むだな事をているものだ、大夫は、赤穂の浜方はまかたの者へ貸金の残余を取り立てに参られたのだ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
全体ぜんてい此辺こけいら浜方はまかたが近いにしちゃア魚が少ねえ、鯛に比目魚ひらめめばるむつ、それでなけりゃア方頭魚あまでいと毎日の御馳走が極っているのに、料理かたがいろ/\して喰わせるのが上手だぜ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私などの住む附近の田舎いなかでは、この頃は祭礼のあかく染抜いた半てんを着ることが、野らで働く青年の一つの好みになっている。浜方はまかたではまた遠目とおめには紳士とも見えるような、洋服人が網をいている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
浜方はまかたまで、ちょっと、急用を生じまして』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)