波及はきゅう)” の例文
「おそろしいものよ。……始まったばかりないくさだが、もうその波及はきゅうは、こんなしがない夫婦の上にまでかかって来ている」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その喜びに対する微笑ほほえましい気持が顔へまで波及はきゅうするかと思われた。園はおろかなはにかみを覚えた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その点からいって、さわぎがすぐにも全軍に波及はきゅうするようなことは、おそらくないだろうと思います。もっとも、派閥はばつを作るような巨頭連のことですから、今後どう動くか、安心はできません。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
“被害ついにニューヨーク市に波及はきゅう。高層建築地帯は昨夜のうちに全壊”