沙本さほ)” の例文
しきいめを見つ。沙本さほかたより、暴雨はやさめり來て、にはかに吾が面をぬらしつ。また錦色の小蛇へみ、我が頸にまつはりつ。
見た。沙本さほの村の方からにわかに大雨が降って来て、おれの顔にぬれかかった。それから、にしき色の小さなへびがおれの首へ巻きついた。いったいこんな夢はなんのしるしであろう
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
また春日かすが建國勝戸賣たけくにかつとめが女、名は沙本さほ大闇見戸賣おほくらみとめに娶ひて、生みませる子、沙本毘古さほびこの王、次に袁耶本をざほの王、次に沙本さほ毘賣の命、またの名は佐波遲さはぢ比賣
沙本さほ毘賣を后としたまひし時に、沙本さほ毘賣の命のいろせ沙本毘古さほびこの王、その同母妹いろもに問ひて曰はく、「いろせとはいづれかしき」と問ひしかば、答へて曰はく「兄を愛しとおもふ」と答へたまひき。