沙地すなじ)” の例文
沙地すなじの路はもはやほこりを揚げぬ程度にきれいに乾いて、走っている車夫の足音が、びろうどの上をでもむように、軽く、しとしとと地面に落ちて行きました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
奴婢ぬひは、其々もち場持ち場の掃除を励む為に、ようべの雨に洗ったようになった、境内の沙地すなじに出て来た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
可成り水量はあるが、水は幾筋にも岐れて大きな岩の間を流れているので、膝も濡らさず徒渉としょうして右岸の沙地すなじを暫く辿った。樺や深山榛などの若木が霉爛ばいらんした沙の間に痩せた茎を培っている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)